• 責任ある調達体制の構築

従業員の声を最優先する

エンゲージメントと心身の健康

Nikeでは、有能で、尊重され、貢献意欲の高い働き手こそが、事業の発展とサステナビリティの鍵を握ると確信しています。 そして、サプライヤー企業も各々の従業員をしっかり尊重できるようにサポートしたいと考えています。従業員のエンゲージメントを高めることで、より有能かつ機敏で意欲的な働き手への成長が促され、個人と組織の双方にとってプラスの成果につながるからです。

エンゲージメントの高い働き手は、その多くが心身の健康を実感しているだけでなく、 生産性が高く欠勤率が低い傾向が見られます。  仕事に積極的に従事する働き手の存在は、報酬、時間外労働、職場の状況といった何よりも大切なビジネス上の課題を本質的に解決することが明らかになっています。

Nikeは、Engagement and Wellbeing Survey(エンゲージメントと心身の健康に関する調査、EWB)の開発と実施を通して、サプライヤーに雇用された従業員のエンゲージメントと体験の水準を測定してきました。 この調査の対象をより多くの施設に拡大し、サプライチェーン全体への適用を図ってきましたが、働き手の意見の測定についてはまだスタート段階です。 また、エンゲージメントを高める能力の育成においても、Nikeはサプライヤーを積極的にサポートしています。 これは未来の基礎となる施策であるため、働き手の価値を認めて関係を築くサプライヤーとともに成長し続けようと取り組んでいます。

私たちは、サプライヤー支援の一環として実証的なデータに基づく実用的で測定可能な手段を導入し、エンゲージメントの向上と2025年に向けた意欲的な目標の設定を後押ししています。 2025年までに、すべての戦略的サプライヤーがNikeの製品づくりに携わる人材のエンゲージメントを測定し、改善に取り組むようになると見込んでいます。

私たちがこの目標を設定したのは、尊重され、貢献意欲の高い従業員こそがエンゲージメントの高い働き手であるという信念を持っているからです。 労働環境も、心身両面で安全でなければなりません。経営管理者は、積極的に安全な環境を構築していく必要があります。

この目標の達成に向け、私たちは3つの主要な分野に焦点を当てて取り組んでいます。

従業員のエンゲージメントと心身の健康
Fy22 Worker Engagement Wellbeing Worker Training Support Worker Engagement Wellbeing Poster
EWB調査の拡大

Nikeの目標は、戦略的サプライヤーを100%カバーすることです。 調査対象になるサプライヤーが増えるほど、業界全体をより的確に把握でき、ポジティブな変化を促して前進できる可能性が高まります。

私たちは、サプライヤーの施設で働く個人の経験に基づいてエンゲージメントを測定するために、EWB調査を開発しました。 このEWB調査は、従業員が会社に支えられているとすでに感じている領域を明確にし、サプライヤーの経営管理者が従業員のエンゲージメントを向上させる機会を見いだすのに役立ちます。

この調査は、統計的に意味のある結果を入手し、実行性を高め、施設における包括的なエンゲージメント状況を確実に把握できるように、サプライヤーをはじめとするさまざまな組織の協力のもと、大規模に試験運用されました。

サプライヤーが働き手の声を聴く取り組みの推進

サプライヤーにはそれぞれに異なった個性と状況があり、従業員のエンゲージメントや心身の健康への取り組みもさまざまであることを認識したうえで、それぞれの状況に合わせた手段を用意しています。 Nikeのガイドラインにより、基準となるアプローチを提供し、調査のプロセスでサプライヤーが主体性を持ち、説明責任を果たせるようにします。 私たちは、モバイルやタブレットの技術を活用して、このような調査をオンラインで実施するベンダーとの強固なネットワークを築いています。このネットワークにより、結果について迅速なフィードバックが得られ、従業員と経営管理者とのコミュニケーションに取り入れることが可能です。

エンゲージメントを高める能力の構築

Nikeは、エンゲージメントの向上に役立つ能力の育成においてサプライヤーをサポートしています。 サプライヤーが、EWB調査から得たデータに基づき従業員にプラスの効果をもたらす行動を起こせるよう、引き続きツールの強化と能力の育成に取り組んでいきます。 EWB Action Planning Guide(EWBアクションプランガイド)も、この取り組みの一環です。施設が、従業員から得たデータを基に行動を起こし、そうした試みを人材管理システムに取り入れるためのプロセスを開発して導入できるようサポートします。

従業員と経営管理者のコミュニケーションの向上、戦略的な人材管理や効率的な管理の枠組みへの投資、安全を重視する文化の推進、大切に扱われる従業員の視点に立ったプログラムの採用に重点を置くことで、従業員のエンゲージメントの向上とビジネスの成長を支援します。

さらに、志を同じくする他の企業と手を取り合い、従業員のエンゲージメントや心身の健康を確立するツールやプログラムの開発と展開を行うことにも価値があると考えています。

苦情申し立ての仕組み

Nikeは、従業員が不満を感じたときに適切なチャネルを利用して苦情を申し立てられることが重要だと考えています。 従業員が利用できるNikeの苦情申し立ての仕組みとしては、次のようなものが挙げられます。

  1. サプライヤーの苦情申し立ての仕組み:Nikeはサプライヤーに、苦情申し立てに関する効果的なプロセス、つまり労働環境、企業のポリシーと手続き、雇用の契約条件など業務で体験するさまざまな事柄について従業員が懸念を申し立てることができるプロセスの導入を求めています。 Nikeはサプライヤー基盤を慎重に選定しているため、こうした手順は、提起された問題を改善するうえで一般に効果的であり、責任を持つサプライヤーが関与する後続の仕組みは不要となります。 CLSでは、サプライヤーの苦情申し立ての仕組みが「効果的」であるために、守るべき最小限の条件を定めています。 苦情申し立ての仕組みに求められる条件としては、機密性の確保、期限の設定、報復の禁止、透明性の維持、複数チャネルでの提供、従業員への公表などが挙げられます。 またサプライヤーは、苦情申し立てプロセスの有効性を測定し、苦情の記録と追跡を通じてタイムリーな応答を徹底することも期待されています。 こうした要件は、ガイドラインが示す有効性基準と連動しています(ガイドラインは国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」の有効性基準に基づいています)。 サプライヤーの苦情申し立てプロセスは、SLCPの査定とNikeの監査によって評価されます。
  2. Speak Upポータル:Nikeの「Speak Up」ポータルはオンラインまたは電話でいつでも利用可能であり、サプライチェーンの従業員はこれを使用して自分の懸念をNikeに直接報告できます。 Nikeのサプライチェーンに属する働き手はこれまでこのポータルを使用して懸念を申し立て、Nikeはそれを調査してきました。 OECDグッドプラクティスに従い、Nikeは入念に設計されたプログラムを継続的に強化する方法を模索しており、その一環として、苦情を申し立てる仕組みの有効性を絶えず改善しています。
  3. FLA 第三者を通じた苦情申し立ての仕組み:Nikeは、複数の関係者が関与するこの苦情申し立ての仕組みに参加しています。この仕組みは、個々の組織がFLAに懸念を持ちかけている状況や、工場の取引バイヤーがNike以外にも存在する場合に、申し立ての有効性を高める手段として効果的です。 第三者を通じた苦情申し立ての仕組みでは、いかなる個人、グループ、組織でも深刻な労働者の権利侵害について報告することが可能であり、他のすべてのチャネルが機能しないときの最後の手段となります。 Nikeは、この仕組みを通じて申し立てられた具体的で信用できる苦情について、対処と改善に努めています。詳細な情報を十分に得たうえで、該当する申し立てを適切に調査し、問題の改善や、その他の有効な解決策の提示を図ります。 こうした手順のこれまでの成果として、不当に解雇された従業員の復帰と賃金の遡及支給、労働組合の認定、経営管理者と従業員のためのトレーニングと教育プログラムの設立、労使関係の改善などが挙げられます。 例えば、2019年、FLAは報告された51件の違反を査定し、Nikeはサプライヤーと協力して違反の75%について完全に改善できるよう支援しました。また、その後も改善状況について評価しました。
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