• 私がここに至るまで

ランナーのジェーン・ヘデングレンは、インドアでもアウトドアでも記録を塗り替えていく

  • 2025/8/22

多くの人が中学時代は目立たずに過ごそうとする中で、ジェーン・ヘデングレンは学校の1マイル走の記録を破り足跡を残したいと願っていました。当時12歳。正式に陸上競技を始めたばかりでしたが、学年末までに記録を残すと決めていたのです。ある寒い秋の午後、父親のジョンはジェーンをある大学のトラックに連れて行き、そこで400メートルの反復走で彼女の力を試しましたが、目標タイムを切ることはなかなかできませんでした。その時、ブリガムヤング大学(BYU)の元ランナーであるジョンも練習に加わり、冷たい高原の空気を切り裂きながらペースを上げつつ、強い意志で前進するジェーンから離れすぎることなく励ましていました。彼女はやがて目標タイムを出せるようになり、その春には学校の記録を更新しました。

現在は高校を卒業し、ジェーン・ヘデングレンはアメリカのアマチュア長距離ランナー史上、最も成果を収めた選手の一人として地位を確立しています。2024年には、男女を問わず高校陸上史上最高の成績を残したとされ、1マイルから5キロに至るまで9つの高校最高記録を更新しています。この偉業は1人で成し遂げたわけではないと、彼女は誰よりも真っ先に言うことでしょう。家族の支えに加え、ジェーンのチームメイトにはNike Eliteプログラムのコーチやランナーたちがいます。このプログラムでは、全米のトップランナー40名を招いて、年間を通じてNikeのコーチによる包括的なトレーニングツールを提供し、クロスカントリー、インドア、アウトドアの各シーズンにおける全米有数の大会で集大成を迎えます。そしてそのすべてのシーズンで、ジェーンは圧倒的な強さを示しました。

同インタビューでは、こういった支えがどうプロランナーとしての今後に繋がり、この秋から始まるBYUでの大学陸上競技人生の基盤となっているかを自身の言葉で語ります。

インドアもアウトドアも、自分の力を証明する機会がたくさんあります。初めてトラックで5キロを走ることができた今年のNikeインドア ナショナルズは特別でした。自分を試す必要があったんです。

優れたコーチは言葉の力で気持ちを奮い立たせてくれます。その大会で、私のNike Eliteプログラムのコーチの1人ジュリ・ベンソンが「今の状態は良いと思う。でも素晴らしい状態かどうか試してみましょう」と言いました。まるで父が教えてくれた「レースの残り2キロになれば分かる」という教訓のようでした。それで最後まで力強く走り切ることができました。心を開き、自分の力を最大限に引き出せば良い結果がたくさん生まれるんです。

今年は初めてのことだらけのシーズンでした昨年の秋、初めてNikeクロス ナショナルズに出場しました。レース当日はすごく新鮮に感じられて、本当にワクワクしました。競技者のレベルは高く、コースも天候次第で厳しくなるので焦らないように注意しました。序盤は落ち着いてペースを維持しましたし、自分の期待以上の走りでのゴールは格別です。

ジェーンは昨年のNikeクロス ナショナルズで優勝しただけでなく、16分32秒7という大会新記録を樹立し、驚異的な41秒差で勝利しました。

ランニングの色々な種目があるところが大好きです。クロスカントリーとトラックはそれぞれに特別な魅力があり、全く異なるものです。クロスカントリーは長距離の厳しい地形で競い合うところが魅力で、そこがランニングの「自然の中で他のランナーと競う」という本質を体現しています。一方で、トラックは本当に楽しい競技です。スピード感があり、競い合いも大切ですが、特定のタイムを目指すことにも特別な魅力があります。それに、距離のバリエーションを利用して自分のコンディションをチェックできる点も魅力です。

レースでは結果だけが進化するのではなく、トレーニングも変化していきます。筋力トレーニングは、私の成長に大きな役割を果たしてきました。初めの頃は週に30マイル(約48キロ)程度を走り、軽いワークアウトやクロストレーニングを時々するくらいでしたが、月日を重ねるうちに強度も距離も増していきました。直近のシーズンでは週に55マイル(約88.5キロ)走りながら、より強度の高い練習をこなして、心身ともに充実していました。

自分に才能があると気づいたのは、高校2年生くらいの時だったと思います。それまでコツコツと継続的に努力していました。それに、成績とは関係なくいつだってランニングに魅了されていました。ランニングには自由がありました。日常のストレスから解放され、目標に向かって走ることで、自分自身を見つめ直すことができました。走り始めた時からその感覚はありましたが、年齢を重ね競技にさらに向き合うことで進化しました。

BYUに入学予定のジェーンは、全米最高の高校生アスリートに贈られる2025年ゲータレード年間最優秀選手賞に選出されました。

「BYUで始まるこれからに、とてもワクワクしています。新しい距離に挑戦したり、色んな選手と競い合ったり、なんでもやってみたいと思っています」

ジェーン・ヘデングレン、中距離・長距離ランナー

何歳になっても、新しい挑戦に立ち向かう機会は見つけられます。BYUで始まるこれからに、とてもワクワクしています。新しい距離に挑戦したり、色んな選手と競い合ったり、なんでもやってみたいと思っています。大学が単発の経験で終わらないのは素晴らしいことです。時間をかけてこういったことを学ぶんです。ものごとを理解し、自分に合ったリズムやルーティンを把握し、チームメイトやコーチのディルジート・テイラー、それに他のスタッフとも関係を築く時間が持てると思います。

あまりに先のことは考えすぎないようにしています。オリンピックでのメダル獲得や世界の舞台で名を馳せるといった願望についてよく聞かれます。もちろんどれも素晴らしい目標で私もそのために努力していますが、正直なところ数年後に自分がどうしているかは分かりません。今の私が集中できるのは、健康でいることと、このスポーツを楽しみ、周りの人たちを大切にすることです。一歩ずつ着実に進んでいこうと思っています。

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