アトランタ・ドリームのガードであるアリーシャ・グレイの今年のパフォーマンスには、目を見張るものがあります。WNBAオールスターのスターターとして選ばれたグレイは、2025年シーズンにおいて、得点、リバウンド、アシスト、3ポイント成功率、プレー時間のすべてでキャリアハイを記録しました。なかでも、出場時間はリーグで最多です。ただ、記録そのものよりも驚かされるのは、こうした多才ぶりをいとも簡単にこなしているように見せるプレースタイルです。1シーズンを通じて、1試合あたり平均18得点、5リバウンド、3アシスト、2本以上の3ポイントシュートを決めた選手は他にいるでしょうか。グレイただ一人です。2024年のオールスター ウィークエンドで、グレイはスキルズ チャレンジと3ポイント コンテストの両方を制しました。そして今夜、インディアナポリスで王座防衛に挑みます。滑り出しは絶好調。金曜日の朝、グレイはチーム練習の後に行われたハーフコート シュート対決を制しました。バスケットボールのレベルが男女を問わず上がっているなかで、何か1つのスキルを犠牲にしなくても、他のスキルを向上させられることを、グレイは身をもって証明しています。今日のバスケットボールで勝つためには、激しい競争に応えられるだけの、全方位で優れたプレーが求められると言えます。
Nikeはアリーシャにインタビューを行い、オールラウンダーとしての実力を磨いた絶好調の1年と、実力者揃いのリーグで自分の役割をどのように捉えているのかについて話を聞きました。
オフシーズンは、自分のプレーを飛躍させるのに理想的な環境でしたね。1対1のプレーを磨くことに全力を注ぎました。アンライバルド リーグは理想的な場でした。リーグ屈指のプレーヤーと1対1でぶつかるので、シュートを決める力が試されます。ディフェンス面でも、スキルを高める以外に選択肢はありません。ほとんどすべての場面で孤軍奮闘しなければいけないので。仲間の助けは来ないと思ったほうが良いですね。だからこそ、高いディフェンス能力が求められます。
実は、私の強さはバスケットボールを始める前から培われたものです。子どもの頃は、兄と弟と過ごす時間が多かったです。裏庭で一緒に遊びながら、この2人に負けない姿勢というものを覚えていきました。どの遊びも本気の勝負だったので、両親が私たちを引き離しに入ることもありましたね。
バスケットボールの場合、相手よりも実力不足だと感じたときは、何とかして自分の強みを見つけないといけません。私は兄弟たちに力では絶対に勝てませんでした。それでも、努力して頭を使うことはできるんですよね。1対1やシュートで勝てるようになってからは、一目置かれるようになりました。
私は、勝つということを文字通りにとらえています。本当に負けず嫌いなんです。私にとって「勝利」は他の誰かに勝つという意味です。高校生の頃、ジョージア州のチャンピオンになったあの瞬間、その思いが揺るぎないものになりました。私たちのチームはその年、無敗でした。ただ勝ったのではなくて、他の誰にも負けなかったということです。
「試合には、本当にいろんな形で貢献できます。全方位で優れたプレーヤーになれば良いじゃないですか？」
アリーシャ・グレイ、アトランタ・ドリームのガードでNikeアスリート
軍人の家庭で育つと、全力を尽くさない言い訳はできません。私の父は軍隊に所属していました。物心ついた頃からずっと、「はい、わかりました」「はい、やります」という感じで。大学に入るまでは、父がバスケットボールのコーチでした。厳しい練習の時に、父が「お父さんの前で自分の期待を裏切るようなことはさせないからな」と言っていたことを覚えています。しかもうちの父、通っていた学校の校長だったんですよ（笑）。大変な環境ではありましたけど、大人になってみると、父には私が将来どこまで行けるかが見えていたんだと思います。
得点を決めることだけがすべてではありません。たくさんの人が、得点ばかりに注目して、それ以外を見ないことがすごく不思議です。試合には、本当にいろんな形で貢献できます。全方位で優れたプレーヤーになれば良いじゃないですか？
いつも使っているNikeの商品ですか？もちろんあります。ゴーグルです！3x3の試合中に目をケガしてから使うようになりました。その時からずっと使っています。
リーグは実力者揃いです。自分の才能を当たり前だと思ってはいけません。絶え間なく才能を磨いているトッププレーヤーがたくさんいるんです。そうしたプレーヤーと同等に評価されるからこそ、オールスターゲームでプレーすることの意味が増すんですよね。
今年のスキルズ チャレンジと3ポイント コンテストでは、一歩も引くつもりはありません。今週末、両方に全力で挑みます。どちらかに絞るつもりはありません。自信はあります。コンディションも万全で、準備万端です。まあ、今年のプレー時間がこれだけ長ければ、コンディションも整いますよね。