• 責任ある調達体制の構築

NIKEの行動規範:サプライヤー向け

ポイント

Nikeでは、私たちの行動規範のすべての基準にサプライヤーが準拠するための明確かつ基本的な期待事項を設定しています。

Nike 2022 Impact Responsiblesourcing Suppliers 001

AirMiのAirバッグ用TPUシート

ビジネスとスポーツにおいて、私たちが重視するのはフェアプレーです。 世界クラスの製造業を営む企業は、環境、工場で働く人々、そして健康で安全な職場という原則を尊重する基準が基盤にあるべきだと私たちは考えています。

私たちには倫理に則ったビジネスを運営する責任があり、その責任はNike製品を製造する委託製造業者にも及びます。

Nikeの行動規範とリーダーシップ基準規範には、各サプライヤーに対する期待事項を示しており、労働、健康、安全、そして環境における私たちの優先事項を反映しています。

NIKEは、労働環境基準統合プログラム(SLCP:Social Labor Convergence Program)に署名し、また、サステナブルアパレル連合(SAC:Sustainable Apparel Coalition)に加盟しています。これらにより、Higg Facility Environmental Moduleや、その他の業界連携ツールの使用を通じて工場コンプライアンスに関する業界の統合を促進し、問題を軽減することを目指します。 これら機関の取り組みは責任ある製造を行うサプライヤーオーナーシップに基づいており、工場パートナーとともにサステナブルで一貫したパフォーマンスを推進するというNIKEの取り組みと一致しています。 私たちは、労働、健康と安全、環境コンプライアンスを監視できるよう、従来のサプライヤーの工場評価システムをこれら業界の取り組みに切り替えつつあります。 そしてコミットメントをサポートするために、2020年に拡張したサプライチェーン内の施設で、業界ツールの使用を広げ始めました。

行動規範

すべてはコミットメントにあり

Nikeには終着点はありませんが、明確なスタート地点があると考えています。 Nikeの行動規範(規範)とリーダーシップ基準規範(CLS)では、各サプライヤー施設が満たすべき最低限の基準を示しています。 私たちは、すべてのサプライヤーが労働者の福祉に対するコミットメントを共有し、責任を持って効率的に天然資源を使用することを期待します。 Nikeのサプライヤー戦略において、ここに示す最低基準は不可欠です。Nikeがベースライン性能をどのように評価し、積極的なビジネスの成長を継続できるサプライヤーを決定していくかの指標になります。 私たちは、責任を持って持続可能な事業を運営し、最低基準を超えることを目指すサプライヤーと協力関係を結んでいます。

私たちが期待すること

私たちは、すべてのサプライヤーが労働者の権利を尊重し、その福祉を向上させるというNikeのコミットメントを共有することを期待しています。なかでも、女性、移民、臨時労働者など、弱い立場にいる人々への配慮を心掛けています。 また、サプライヤーには二酸化炭素や廃棄物の削減といった分野に注力し、責任を持って天然資源を効率的に使用することを期待しています。 Nikeは成長戦略の一環として、積極的で価値ある従業員を育成し、安全性に対する強固な文化を醸成し、環境への影響を最小限に抑えることによって、ビジネスの持続的な成長を推進できる、機敏で弾力性のある管理システムを構築しているサプライヤーを求めています。

コラボレーションに対するNikeのビジョン

Nikeは、より責任ある持続可能なサプライチェーンというビジョンを達成するために、サプライヤーだけでなく、他ブランドやサプライチェーンのすべての利害関係者とのさらなる協力や共同作業が必要であることを認識しています。 そしてこれを実現するには、透明性、コラボレーション、相互尊重に基づく関係が不可欠であると確信しています。 私たちはサプライヤーと協力しながら、市民社会、組合、政府やその他の人々との関わりを拡大し、Nikeのサプライヤーが事業を展開する地域社会の労働、安全衛生、環境条件に対する体系的な変革に影響を与えていきたいと考えています。

行動規範

リーダーシップ基準規範

Nikeのリーダーシップ基準規範は、サプライヤーの工場が行動規範をどのように実践すべきかを示しています。 この文書では、工場のコンプライアンスへの取り組みとその進捗状況をどのように測定するかについてさらに詳しく説明しています。

リーダーシップ基準規範

製造マップ

2005年、私たちは透明性とコラボレーションの観点から、業界で初めて自社の工場拠点を公開しました。 Nikeの製造マップは、Nike、Jordan、Converseの製品を製造するために契約した独立系の工場について把握するためのツールです。これには各工場の名称と場所、製造される製品の種類、大学向け製品を供給する工場、各工場の労働者に関する人口統計情報などが含まれています。 このインタラクティブなマップはソースベースでの変更を反映し、四半期ごとに更新されています。

このリソースには、Nikeが世界中で契約している工場に関する広範な詳細情報が含まれています。 製造されている製品の種類、大学向け製品を供給する工場、労働者に関する人口統計、所在地や連絡先情報といった、各工場の詳細を知ることができます。

製造マップ

ZDHC排水ガイドライン

Nikeは、有害化学物質排出ゼロ(ZDHC:Zero Discharge of Hazardous Chemicals)排水ガイドラインの開発を共同主導しました。これは、廃水排出量削減の継続的な改善を目的とした、ZDHCの全メンバーブランドによる共同の取り組みです。 共同行動の力を通じて、ZDHCの全メンバーブランドで、ZDHC排水ガイドラインに基づく排水テスト1回が有効です。

製造時使用制限物質リスト(MRSL:Manufacturing Restricted Substance List)

NIKEの行動規範では、化学物質に関する戦略についての基盤を設定しています。 このポリシーに基づき、すべてのサプライヤーは化学物質を適切に管理し、Nikeの制限物質リスト(RSL)およびZDHCの製造時使用制限物質リスト(MRSL)の要件を満たす取り組みを策定する必要があります。 私たちは、アパレルおよびフットウェア製品に使用される化学規制物質のリストを管理する国際的な枠組みであるApparel and Footwear International RSL Management(AFIRM)やZDHCなどの団体での活動を通じて、業界内で透明性のあるガイドライン、ツール、トレーニングプログラムの開発をサポートし、推進し続けています。 これらのプログラムが一体となり、有害化学物質の排出ゼロというビジョンの実現に向けて加速し続けています。

製造時使用制限物質リスト(MRSL)

社会 労働環境基準統合プログラム

社会 労働環境基準統合プログラムは、業界全体の工場における労働、健康、安全の状態を査定するための、シンプルで統合された効果的な方法の開発を目指す先駆的な取り組みです。現在、個々の企業において使用されている独自の監査ツールからこのプログラムへの移行が1つの目標として掲げられています。 このプログラムを通じて、監査の数の削減、業界における効率性の向上、監査関連コストの削減といったメリットが得られ、参加組織はこれまでコンプライアンス監査に指定されていたリソースを社会および労働条件の改善に投資できるようになります。 また、業界のリスクと機会に対処するためのより協力的な取り組みを可能にする方向への一歩にもつながります。

社会 労働環境基準統合プログラム

新規供給元の承認プロセス

新規のTier 1完成品サプライヤーはすべて、新規供給元承認プロセスの対象となります。 対象となる国で新規サプライヤーとの関係を始めるにあたってのリスクが考慮されます。 サプライヤーは、本格的な生産を開始する前に、総合評価でブロンズ(Nikeの基本許容レベル)を取得しなければなりません。

製造業指数:インセンティブと制裁措置

2012年に導入されたNikeの製造業指数は、サステナビリティ パフォーマンス(労働慣行を含む)と3つの従来の製造指標(コスト、品質、納期厳守)の4つの均等に重み付けされたカテゴリーに基づいて、工場を評価します。 Nikeはサステナブル製造調達インデックス(Sustainable Manufacturing and Sourcing Index)を通じて持続可能性の要素を評価し、すべての工場での評価をブロンズ(当社の最低基準)以上にすることに重点を置いています。

改善

私たちはコンプライアンス違反の問題を真剣に受け止めます。 もし契約工場の中で、当社の行動規範または行動規範におけるリーダーシップ基準に違反する問題が報告された場合、私たちは調査を行い、改善が必要な場合は工場の管理者と協力して是正措置を講じ、問題解決に取り組みます。 万一、サプライヤーが監査や告発調査で特定された問題をNikeの要件に従って是正しない場合は、再評価および制裁の対象となり、供給契約の解除などが検討されます。

責任ある事業売却

サステナビリティに関するパフォーマンスの低さやその他の理由から既存のサプライヤーとの関係が解消される場合は、Nikeの責任ある終了のプロセスが発動されます。 これには、今後の事業売却に伴うNike、労働者、地域社会、環境に対するリスクの評価が含まれます。

私たちはこのプロセスを真剣に受け止めています。 このプロセスには、業務や労働者への影響を最小限に抑えつつ、一定期間内に生産注文を削減することが含まれます。 ハイリスクの状況では、多くの利害関係者から成る作業チームが結成され、事業売却に伴う特定されたリスクを管理するために設計された撤退計画を策定し、監視を行います。

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